ノルマンディ地方の静かな田舎村、ディーブ・シュール・メール村の魅力

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「フランスにはパリと田舎がある」と言います。パリは町ごと世界遺産には登録されており、言うまでもなく魅力的な街です。でも、フランスは田舎の風景も素晴らしい!

高速道路で地方を走っている時でも、どこまでも続く青々とした緑、放牧された羊や牛がいるのどかで美しい風景に目を奪われてしまいます。疲れて寝ている場合ではない!!

モンサンミッシェル夜景ツアーの途中で立ち寄ったノルマンディーの田舎村、ディーブ・シュール・メール村はこぢんまりした村ですが、ツアーだとこの村での滞在時間は1時間もありません。

教会建築が好きな私は、村のノートルダム教会をゆっくり見ていたら瞬く間に時間が過ぎて、村の中を散策するのは殆ど駆け足。

いくら小さな村とはいえ、こんなに短時間では全部見て回れるものではありません!散策というより、ちょっと長めのお手洗い休憩程度です。

でも、静かな田舎村の雰囲気は感じることができました。

来年中に一度は渡仏を計画しているので、その時はツアーではなく、高速鉄道などで自力で行ってみたいものです。

ディーブ・シュール・メール村の場所

ディーブ・シュール・メール村(Dives-sur-Mer)は、パリから220km離れたフランス北部のノルマンディ地方(仏語:Normandie)にあります。

ノルマンディ地方は日本では「地方」と訳されていますが、正式には「ノルマンディ地域圏」と呼ばれています。

ノルマンディ地域圏は、5つの県から成り立っており、ディーブ・シュール・メール村はカルヴァドス県に属しています。ちなみに、モンサンミッシェルは同じノルマンディ地方のマンシュ県にあり、カルヴァドス県(Calvados)のお隣です。

村の面積は6.46km²。東京都の23区で一番小さな、浅草寺のある台東区でも10.08km²ですから、本当に小さな村です。ただ、台東区と違うのは、人口密度の低さでしょうか。台東区の人口は18.63万人ですが、ディーブ・シュール・メール村の人口は2000年の時点で5912人。ものすごい差です。

ツアーで訪れるのは、ディーブ・シュール・メールのごく一部ですが、昼下がりの村は人通りも少なく、一台の観光バスで来た日本人観光客が一帯をジャックしてしまう勢いです。

村だけ見ているとわからないのですが、ディーブ・シュール・メール村は海に近い街で、近くを流れるディーブ川の河口から海(イギリス海峡)に繋がっています。

ディーブ・シュール・メール村ゆかりの人物

この村はノルマン王朝を開き、現在のイギリス王室の開祖であるウィリアム征服王がイングランド征服の戦いに挑んだ時、艦隊の出発点でもありました。

ウィリアム征服王はノルマンディー公であり、イングランドを征服した後は、イングランド王ウィリアム1世でもあります。フランスではギヨーム2世(Guillaume)と呼ばれています。

https://ja.wikipedia.org/wiki/ウィリアム1世_(イングランド王)

このウィリアム征服王によるイングランド征服が、歴史の教科書でも載っている1066年の「ノルマン・コンクエスト」なのです。

これにより、ウィリアム征服王はイギリスのウエストミンスター教会で戴冠しウィリアム1世となるわけですが、ウィリアム1世と共に戦った戦士たちの名前が、村にあるノートルダム教会の入り口付近の石碑に刻まれています。

ディーブ・シュール・メール村の見所

ノートル=ダム教会

まずは村のノートル=ダム教会(Eglise Notre-Dame Dives-sur-mer)です。教会の建築は、プレロマネスク様式とロマネスク様式、ゴシック様式の要素を含んでいます。

ディーブ・シュール・メール村のノートル・ダム教会

というのも教会は11世紀に建てられたロマネスク様式の教会だったのですが、12世紀後半からフランス北部で花開いたゴシック様式により14~15世紀、教会内部の翼廊と後陣やステンドグラスが増設されました。

10世紀末から12世紀に広まったロマネスク様式から、その次に広まったゴシック様式への変遷も見ることができます。

ディーブ・シュール・メール村のノートル・ダム教会の身廊

ディーブ・シュール・メール村のノートル・ダム教会内部

11世紀に建造される際、ウィリアム征服王(ノルマンディー公ウィリアム)がこの教会の建造のために寄付金を提供しています。

教会の中はステンドグラスから眩しい光が差し込み、表情豊かに陰影を作り出していました。

ディーブ・シュール・メール村のノートル・ダム教会のバラ窓

ノートル=ダム教会はフランスをはじめとする世界各地にあり、ディーブ・シュール・メール村のノートル=ダムもそのひとつです。

「ノートルダムまたはノートル=ダム(Notre-Dame)はフランス語で「我らの貴婦人」という意味で、イエス・キリストの母である聖母マリアを指す。 それゆえ、マリアやキリスト教に関連したものの名前に使われることがある。 以下が主なものである。 ノートルダム聖堂 – フランスを始めとして、世界各地に存在する教会堂の名称。」

wikipediaより引用

パリのノートル=ダム大聖堂とは比較にならないぐらい規模の小さな教会ですが、大きすぎず荘厳すぎないこの教会の方が、神をいっそう近くに感じるような気がします。

ロマネスク様式の外観を残している教会の横は緑の芝生があり、白いタンポポがいくつか咲いていました。鳥のさえずりだけが聞こえる静かな街は、パリの喧騒とは対照的で、心が洗われ穏やかになる風景。

ディーブ・シュール・メール村のノートル・ダム教会

ディーブ・シュール・メール村のノートル・ダム教会

かわいいお店が並ぶガストン・メンヌヴィル通り

教会に隣接するガストン・メンヌヴィル通り(Rue Gaston manneville)を歩くと、ブーランジェリー(パン屋)とショコラティエが隣り合わせになっているデュポン(「DUPONT」:Boulanger & Pâtissier, Salon de thé )をはじめとする小さな店舗やレストランなどが並んでいます。フランスの地方のお土産は珍しいので、ここでスイーツを買っておくのもおすすめ。

ディーブ・シュール・メール村のガストン・メンヌヴィル通りにあるデュポン

ディーブ・シュール・メール村のガストン・メンヌヴィル通り

まるで童話の世界に入ったかのような村の中心部

ガストン・メンヌヴィル通りを歩いて噴水花壇を通り過ぎ、一番の見所は村の中心部にある、中世(15世紀)の木造建築のある広場です。木造の建物は16世紀のヨーロッパに広まりました。

フランスだけでなく、ヨーロッパは石造りの建築の印象が強いですが、城砦や大聖堂以外、庶民の住居は木造の建物が一般的でした。広場の木造建築は色とりどりの美しい花で飾られ、まるで物語の中に入り込んだよう。


Présentation de Dives-sur-Mer 投稿者 mairiedives

レピュブリック広場へ

レピュブリック広場(Place de la Republique)の一角にはかわいい看板のワイン屋さんがあります。お店は石造りで、窓辺にハンギングされた赤いお花が素敵です。ワインだけでなく、ノルマンディ名産のカルヴァドスも扱っています。

ディーブ・シュール・メール村のワイン屋さん外観

ディーブ・シュール・メール村のワイン屋さんの看板

広場にはワイン屋さんの他にカフェや公衆トイレがありますが、カフェに集う地元の人々は、観光でやってきた日本人を物珍しそうに見ながらお喋りに興じています。日本人は何度も来ているだろうになぁ…と思いながら、アパルトマンの炊飯器で炊いたお米で握ったおにぎりを急いでお腹に入れていた私達。バスの中では食事は禁止なんですよね…

ディーブ・シュール・メール村に立ち寄れる現地ツアー

私達がディーブ・シュール・メール村に立ち寄ったツアーはエミトラベルで冬季に催行される「【11月~12月】日帰り夜景モンサンミッシェルとノルマンディーのいなか村ツアー/1日観光」ですが、このツアーに参加するなら、限られた時間の中では食事よりも観光を優先することをおすすめします。

ディーブ・シュール・メール村には一時間もいられませんし、モンサンミッシェル島内のカフェでは手短に食事を済ませないと、島内を回る時間が足りません。ゆっくり食事をしていると日没の風景も見られません。

食事はディーブ・シュール・メール村のデュポンでパンを買い、村のレピュブリック広場のベンチでサッと食べてしまうか、モンサンミッシェル島内のカフェで、ガレットにこの地域名産のシードルかカルヴァドスでも頼んで、サッと食べてしまうのが良いです。とにかく日帰りツアーは慌ただしい。

フランスには、パリと田舎がある。

ディーブ・シュール・メール村は、ある人にとっては「何もなくて面白くない」村かもしれませんが、ちいさな村にも歴史があり、人がいて、暮らしがあります。

「フランスにはパリと田舎がある」と冒頭に書きましたが、この村を見ることで、パリ以外のフランスを垣間見ることができます。

貴重な時間と機会を有効に使えるかは「些細なことにも興味を持つこと」通りを歩けば鉢植えの鮮やかな花々や窓辺を飾る刺繍入りのかわいいカーテン、庭に無造作に置かれた道具など、絵になる小さな風景が沢山見つけられます。写真はほんの一部です。↓

ディーブ・シュール・メール村のガストン・メンヌヴィル通沿いの家

ディーブ・シュール・メール村の窓辺にかかるかわいいカーテン

ディーブ・シュール・メール村のガストン・メンヌヴィル通沿いの家

ディーブ・シュール・メール村

こんな小さな「素敵」に出会えるのも、小さな田舎村ならでは。ディーブ・シュール・メール村を、ぜひ楽しんでください。ボンボヤージュ!

ディーブ・シュール・メール村の公式サイトはこちら(フランス語)